冒険としての社会科学/橋爪大三郎

冒険としての社会科学 (洋泉社MC新書)

冒険としての社会科学 (洋泉社MC新書)

大学がつぶれてもかまわないと思った学生(全共闘)より、大学がつぶれたら困ると思った学生の方が多かったから、負けたのだ。たしかに。でも、そういう二者択一(倫理)の話にしてしまったのが、そもそも問題である。全共闘は正しいけれど、どこか決定的にまずいところがある。(後略)

押しつけたアメリカの思惑と、この憲法の出来栄えとは関係ない。この憲法はなかなかよく出来ているから、大事にするほうがいい。ひとの作ったものなんか嫌だという気持ちもわかるが、自分で作れなかったものは、仕方ないではないか。

この前の戦争が非常に愚かしいものなら、二度とそういう戦争(や、それに類する愚かな出来事)を起こさないように、そのためのシステムを工夫する。それが、戦争責任なのだ!

日本の経済規模も、影響力も、大きくなりすぎた。世界の動向をさしおいて、日本だけうまい目を見るなんて、もう考えられない。これまでたまたま幸運だったが、これからは、自分で行く手を切りひらかなければならない。その自覚が日本人に、なさすぎると思いませんか。